取締役会の廃止
会社法施行前に設立された法人は現在もそのまま取締役会設置会社として運営されているケースを良く見ます。
取締役会を設置していても、実際は社長が一人で頑張っているような会社は取締役会を廃止して、組織をスリム化するのも一つの手かと思われます。
取締役会を設置する場合、取締役は最低でも3名、それに加えて監査役が1名必要になるため、必然的に役員の人数が膨らんでしまいます。
取締役会のメンバーをご親族で固められているケースもよく見られますが、高齢化による欠格事由に該当すること(認知症等)が原因で後任を探さなければならなくなるなど、問題が表面化する前に手を打つことをご検討頂ければと思います。
取締役会を廃止する場合
一言に「廃止する」と言ってもやることは結構あります。
取締役会を廃止する場合、殆どのケースで監査役設置会社の定めも廃止します。
また、それらに伴い定款の内容も大幅に変更する必要があります。
単純に考えても定款の文言に「取締役会で」と出てくる箇所は全て修正する必要がありますし、「監査役」というワードも全て修正を要します。
取締役会を廃止したら役員はどうなる?
取締役会を廃止した場合でも、それまでに在籍していた取締役はそのまま取締役を続けることが可能です。
ただし、前段でも触れたように監査役を同時に廃止する場合、監査役は「退任」となります。
当然のことながらこのケースで監査役は辞任届を提出する必要はありません。
監査役を辞める理由が「辞任」ではなく、組織体制が変わるという会社の都合によるものなので、単に「退任」となるからです。
取締役会を廃止した後も複数の取締役を置く場合は、今後の代表者を
- 取締役の互選で選出する
- 株主総会で選出する
というように選出方法を定めます。
選出方法を定めずに全ての取締役が代表権を持つ代表取締役となることもできますが、一般的には上記のどちらかを定款に定める形となります。
体制はいつから変えられるのか?
取締役会を廃止するという総会決議を得て、後日、実際に登記申請を行う場合、その効力(取締役会が廃止になる)はいつからでしょうか?
それは株主総会で定めた日が効力発生日となり、登記が完了した日ではありません。
例えば、7月1日から取締役会を廃止したいと考えれば議事録に「7月1日に廃止する」としておけば良い、と言うことになります。
このため、組織の内容を変更する場合は会社が希望する日に行うことが出来る、という結論になります。